4月23日


於茂登岳の斜面は緑濃く、ほとんど藍色に見える。


藍染めの工房にお邪魔した。凛とした仕事。
あるいは、この藍の色は、あの山の緑から「抽出」されるのかも知れない。


機織りを見学。しなやかな手さばき。
海を望む丘にぽつんと建つパン屋。頑固だ。


藍染め、機織りのリズム、日々の食べ物、すべては気候や風土という器にちょうど盛り切るくらいの、つつましい手仕事。
色も、音も、光も、すべては暮らしと不可分だ。



島の外周をぐるっとまわって、白保の海岸に行く。


水平線の3ミリ内側で海の白い縫いしろがほころび、はじける。
遠く沖合いの波頭が、ラグーンの先端だ。


波の音は聴こえない。
ただ海の呼吸がドローンを奏でている。
この星が廻る音だ。